共働きの方で特別養子縁組を検討している場合
特別養子縁組で育児休暇の取得はできるの?
と思っている方もいると思います。
特別養子縁組でも育児休暇の取得は可能です。
ご夫婦2人で同時に取得もできます。
初めまして、あめりです。
児童相談所経由で生後10日の子供をお迎えして特別養子縁組をしました。
私は特別養子縁組で育児休暇を取得しました。
現在、特別養子縁組での育児休暇を取得する事例はまだ少ないです。
私の職場は職員が約2000人くらいいますが、初めての取得でした。
- 育児休暇を取得でき、育児給付金も給付される。
- 育児休業開始日は、正式委託日。それ以前の休みは有給か欠勤となる。
- 育児休業に必要な書類は職場により異なるが、通常より必要な書類が増える。
- 職場に事前に説明をする
- 仕事の引き継ぎの資料を事前に作成しておく
- 両親や協力してくれる人に育児サポートを事前にお願いする
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特別養子縁組でも育児休暇を取得できる
現在特別養子縁組でも育児休業を取得することができるようになりました。
しかし、通常の妊娠出産からの育児休業とは異なる点が多くあります。
法改正によって特別養子縁組の試験養育期間も育児休暇の対象に
平成29年1月に育児休業法が改正されました。
特別養子縁組の監護期間(試験養育期間)や養子縁組里親に委託されている子といった法律上の親子関係に準じる関係にある子も対象に追加されました。
簡単にいうと、特別養子縁組前提で育てている場合は育児休暇が取れますよということです!
平成29年より新たに育児休業の対象になった子
- 特別養子縁組のために試験養育期間にある子を養育している場合
- 養子縁組里親に委託されている子を養育している場合
- 養子縁組里親として委託することが適当と認められるにもかかわらず、実親等が反対したことにより、養育里親として委託された子を養育する場合
改正前は育児休暇が取れなかったため共働きだと特別養子縁組は難しいことが多かったそうです。
育児給付金が給付される
育児休暇が取得できるので、育児給付金も支給されます。
原則、給付金がもらえるのは2ヶ月に1回なのでしばらく無給が続くため事前に貯金をしておきましょう。
私の場合は育休開始後、約3ヶ月〜4ヶ月後に育児給付金が支給されました。
1ヶ月毎に支給することも申請することにより可能ですが、職場と要相談になると思います
育児休業開始日
出産した場合、出産後8週間の産後休暇があるため、育児休業はその期間が終了してからとなります。
夫は、子が出生した当日(予定日)から取得可能です。
特別養子縁組の場合は育児休業開始日は、基本的には正式委託日となります。
『措置決定通知書』、『委託通知書』などに書いてある日付が育児休暇開始日となります。
なので、それ以前に休んだ場合は欠勤扱いとなり有給などで代用になるかと思います。
私の場合、正式委託開始前の1週間は有給扱いとなりました。
育児休暇に必要な書類
育児休業取得する際全員に必要な書類に加え、さらに書類を提出する必要があります。
育児休業取得時全員に必要な書類
- 育児休業申し出書
- 育児休業給付のハローワークに提出するための必要書類母子手帳
- 母子手帳
特別養子縁組で育児休暇取得時に必要な書類(職場により異なります)
- 措置決定通知書(委託通知書、里親委託通知書など委託日が書いてあるもの)
- 住民票記載事項証明書
- 特別養子縁組を成立させるための請求に係る事件係属証明書
事件系属証明書は、家庭裁判所が発行するもので特別養子縁組の申立て後に家庭裁判所に請求して取得できる書類です。
簡単にいうと、家庭裁判所に申し立てして現在審判が進行中ですよというのを表す書類です。
申立て時期は児童相談所、民間団体によって異なります。
申し立てができるようになるのは生後2ヶ月以降です。
生後2ヶ月前までに申し立てをすることも可能ですが、審判が始まるのは2ヶ月以降になります。
私達は生後2ヶ月後に申し立てをしましたが、半年以上養育してから家庭裁判所に申し立てを行う場合もあります。
住民票記載事項証明書は、子供の住民票を養親候補者の住所に移動させたあとの住民票です。
委託された子も含まれている住民票です。
子供は同居人として記載されてました。
住所移動のタイミングの時期も、管轄する児童相談所や民間団体により異なります。
私たちの場合育児給付金の書類で職場より連絡がありました。
ハローワークから子供も一緒に住んでいることを証明する住民票を追加で提出してほしいといわれたとのことでした。
特別養子縁組で育児休暇を取得する場合に事前にした方がいいこと
特別養子縁組でも育児休暇を取得することは可能ですが、突然休暇に入ることになるため事前にしておいた方がいいことをまとめました。
職場に事情を説明しましょう
特別養子縁組で育児休暇を取得することは可能ですが、通常の場合と違って突然育児休暇を取得することになります。
通常は取得する1ヶ月前に申請をし取得します。
しかし特別養子縁組で育児休暇に入る場合は、1ヶ月前に申請ができません。
ですので、職場に事前に確認しておく必要があります。
私の職場では、職場長が許可を出せば原則1ヶ月前でなくても大丈夫だったため育児休暇に入ることができました。
児童相談所や民間団体にて里親として登録された際に必ず職場の総務課や上司に事情を説明することをお勧めします。
私の場合、話が来て2日後までに返事をくださいと言われ職場に説明をし、有給休暇を取得したのち育児休暇に入りました。
職場の上司に事前に話をしておいたため、『よかったね!』と言っていただき育児休暇に入ることができました。
職場の協力があってこそだと思います。
突然育児休暇に入ったため職場には本当に迷惑をかけたと思います…
私はかなり緊急性のあるケースだったそうですが、こういう急を要する場合もありますので事前に職場に説明しておかないとスムーズに手続きが行きません。
ほとんどの職場が特別養子縁組で育児休暇を取得したことがないと思います。
総務の方も手続きや必要な書類などを調べたりしなくてはならないので事情は必ず早めに説明をしましょう。
仕事の引き継ぎ資料は早めに作成しておく
私の場合、里親登録されてから4ヶ月後に話があり育児休暇に入りました。
特別養子縁組の委託の話は突然やってきます。
仕事の引き継ぎなどがある場合は早めに引き継ぎの資料などは作成しておきましょう。
委託の話が来た後は、バタバタになります、仕事の引き継ぎをする時間は全くないです…。
本当に急に来るので、かなり焦ります!電話が来た時、信じられませんでした…
委託の時に備え、早めに引き継ぎ資料を作成し準備を整えておけば損はありません。
両親や協力してくれる人に育児サポートを事前にお願いする
私たちは児童相談所での委託が少ないため、養子縁組里親登録後に民間団体の登録を進めていました。
私たちが登録を進めていた民間団体では以下のような流れだと説明を受けました。
- 『子供が生まれましたが受けますか?明日か明後日には来られますか?』と突然連絡が来る。
- 『お願いします』と返答すれば、北は北海道、南は九州まで全国にある提携病院へ向かう。
- ミルクや沐浴などを学ぶ3泊4日の教育入院をする。
- 退院後、子どもを自宅へ連れて帰り同居生活がスタートする
受託をすると、突然生活が一変し赤ちゃんとの生活がスタートします。
児童相談所経由でも私の場合ほぼ同じでした。(管轄の児童相談所により異なります)
私は一人で最初子供を育てるのがかなり不安でした。
ですので、母に委託の話が来たら少しの間サポートしてもらうようにお願いをしていました。
子供を迎えて1週間は、母にサポートしてもらえたためバタバタしていましたが本当に助かりました。
可能なら育児経験のある方に協力をお願いしておくと、色々と相談もでき気持ち的に楽になると思いますのでお勧めします。
最初の1ヶ月は、児童相談所の方も毎日来てサポートしてくれましたが身内のサポートの方がより心強かったです。
心に余裕がないので、サポートしてもらい本当に助かりました。
私の育児休暇取得時の体験談
私が特別養子縁組の里親に登録する前、児童相談所の方より育児休暇を取得できるか確認しておいてとお話がありました。
どうも過去に育児休暇が取れなくて退職した人がいたみたいです…
トラブルは避けたいですよね。
私は後日、職場の規約を調べたら育児休暇に特別養子縁組も対象の記載がありました。
規約に書いてあるので、大丈夫ということで研修を受けて晴れて養子縁組里親に。
里親認定後、民間団体も検討をしていたため、いつ委託の話がくるかわからないため上司に話す決意をしました。
この話をするのは、正直とても不安でした。
今まで不妊治療の話はしていたのですが、内容が内容のためとても話ずらかったんです…
不妊治療などの話って他の人にすごく話しづらいですよね。
上司に話をすると、びっくりはしていましたが応援してくれ職場長にすぐ話をしてくれました。
職場長もびっくりはしたようですが、すぐ総務課に連絡をとってくれ育児休暇取得は可能かなど調べてくれました。
その後職場長からも、『進展があったらすぐ教えて。応援してます』と言っていただきました。
この言葉は本当にありがたかったです。
“委託の話が来たら、急に休みに入るため職場には迷惑かけてしまう。”
言わないといけないことですが、話すのが怖いっていうのがあったんですよね。
いつ委託の話がくるかわからないし、児童相談所からも5年に1件あるかないかですと言われていたので来ても数年後の話だろうと思っていたんですよね。
話が来ても民間団体だろうねと主人と話をしてました
そんなふうに思っていたのに、里親登録をして4ヶ月後委託の話がきました。
『2日後までに受けるか受けないかの連絡をください』
と連絡を受けました。
本当に急にくるんだ…!
とびっくりした反面とても嬉しかったのを今でも覚えています。
翌日職場に説明をして正式委託まで有給をつかいお休みさせていただくことに。
上司や職場長以外は特別養子縁組の話をしていなかったので、私が休みに入ってから他の方にも伝えてくれたそうです。
本当に急に育児休暇に入るので、引き継ぎする間がなく資料を事前に作成しといてよかったです。
事前に話しておいたため、引き継ぎが少ない仕事にしてもらっていたので引き継ぎ資料を渡せば大丈夫でした。
その後から育児のためのトレーニングがスタート!
1週間病院に通いミルクや沐浴を夫婦二人で練習しました。
初めてあった時は、私たちのところに来てくれてありがとうと心から思いました。
実母さんには、産んでくれてありがとうと思いました。
本当に可愛くて、自然と笑みと涙がこぼれました。
コロナ渦だったので面会時間は30分と決まっていて、その間に練習をさせていただきました。
最後に1泊2日の教育入院をします。
夜泣きなどもここで体験。
退院後すぐに同居生活がスタート。(管轄の児童相談所により異なります)
同居生活開始日が、私の場合委託開始日となっていたため育児休暇開始日はこの日からとなりました。
その後、職場に出さないといけない書類など出しにいったりはしましたが比較的スムーズに休暇に入れました。
事前に説明をしたため必要な書類を調べたりしてくれたのもあるかと思います。
特別養子縁組で育児休暇は取得できるが現段階では手続きは複雑
特別養子縁組での育児休暇は取得できますが、手続きは正直ややこしいです。
事前に特別養子縁組での育児休暇についてネットで調べましたがほとんど情報がなくて大変でした…
職場により必要書類が異なり、家庭裁判所に申し立てる時期や住民票の移動などにより書類取得時期が異なるためより複雑にさせているのではないかと考えられます。
また特別養子縁組で、育児休暇を取得するケースはまだまだ少ないです。
担当の方も手続きが手探りになることも要因になるのではないかとは思いますが、今後色々と改善され手続きがスムーズにできるようになるといいですね。
育児休暇は取得できますが、職場の協力がかなり必要不可欠です。
快く送り出してくれた職場の方々に感謝しています。
突然訪れる委託の日に備え、里親登録をされたら職場の上司に報告したり総務課に事前に連絡したりするなどは必ずしましょう。