トルコには現在19ヶ所の世界遺産があります。
文化遺産17ヶ所 複合遺産2ヶ所です。
明らかに周りの山とは異なる山頂のピラミッド。
王の墓と云われているが墓が見つからず現段階ではこれ以上発掘調査をすることができず今だに解明できてない謎多き秘境遺跡!
写真のように胴体から切断され頭部のみ地面においてある不思議な光景が広がっている場所がトルコの南東部にあります。
ピラミッドや遺跡が大好きな私はいつか訪れてみたい場所の一つです。
今回は広大な山々の頂にある天空のピラミッドと言われるネムルト・ダゥの巨大墳墓を紹介していきたいと思います。
ネムルト・ダーの巨大墳墓とは
コマンゲネ王国のアンティオコス1世の墳墓
登録年 1987年
登録区分 文化遺産
登録基準
(ⅰ)人類の創造的資質を示す傑作
(ⅲ)現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の存在に関する独特な証拠を伝えるもの
(ⅳ)人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体
トルコ南東部のネムルト山の山頂にある紀元前1世紀のコンマゲネ王国のアンティオコス1世が自身のために築いた墳墓です。
墳墓は1881年に発見され、1953年に調査が開始されましたが墓室に至る通路が見つかっていないなど全貌がいまだに解明されていません。
コマンゲネ王国って?〜コマンゲネ王国の歴史〜
紀元前2〜1世紀に北シリア一帯を支配し、長きに渡り繁栄していた国です。元々はローマ帝国、セレウコス朝シリアなどの巨大王国や小さな小国がひしめき合うアジアの小さな属国でした。
コマンゲネ王国の歴史
紀元前162年
アレクサンドロス大王の死後にセレコス朝敗退により独立。
紀元69年
アンティオコス1世が即位。
ローマ帝国と交渉をし独立を維持し、豊富な鉱物資源や公益によって王国に繁栄をもたらす。
この成功をもとに自らの神格化を図るために、信仰の対象とされていた聖なる山のネムルト山の山頂に自身の墳墓を建設する。
紀元72年
ローマ帝国に吸収されしまう。
19世紀後半
オスマン帝国軍が山頂付近を偶然行軍した際に発見する。
1881年
ドイツ出身の技師のカール・ゼシュターによって発見される。
1953年
調査が開始される。
標高2200mの山頂にある巨大な像の頭部と石像とピラミッド
ネムルト・ダーはトルコ南東部にあるアナトリア高原にある標高約2200mのネムルト山の山頂にあります。
砕石を積み上げ、高さ75m(現在は50m)、直径150mの巨大なピラミッドのような形の墳墓が作られています。
ピラミッドのふもとの東西にはテラスが設けられています。
アポロン、ゼウス、ヘラクレス、女神フォルトウナ、そしてアンティオコス1世自身の5体の石像
それを守護する役割を持つ獅子とワシの石像が両側から挟むように2体ずつ置かれてます。
立像の頭部は地震などの影響で地面に転げ落ちてしまった説
イスラム教徒による偶像破壊運動の一環とする説があるよ!
石像にギリシャとペルシャの神々が混在しているという所がこの遺跡の他にはない独自のものです。
コマンゲネ王国がギリシャ、ペルシャの強い影響下にあったことがこの石像からわかります。
そのためヘレニズム文化を代表するものとして高い評価を得ています。
王の力を示すための石板と『王の星占い』のレリーフ
またテラスには複数の石板も置かれています。
アンティオコス1世が神々と握手する図版の石板は、王と神が対等な存在であるということを示しています。
『王の星占い』と言われているレリーフが施された石板には獅子と19の星が刻まれ、水星、火星、金星が大きく描かれています。
これは紀元前62年の7月7日に、この3つの星が一直線に並んだことを表していると言われてます。
ネムルト・ダーの不思議
- 墳墓からは王の棺のある場所が見つかっていないため、儀式の場所だったのではないかという説などもある。
- 墓として考えた場合に王の棺のある場所が存在すると考えられるが砕石を積み上げた構造上、崩落の危険が高く発掘後の復元が困難な事から発掘調査はできないという結論に達している。
- 当時の技術でどうやって小石を積んでピラミッドのような建築ができたのかわかっていない。
- 『王の星占い』の石板の紀元前62年7月7日はこの墳墓建設日とも言われている。
全貌がいまだに解明されてないため色々謎が多い遺跡となっていてロマンがありますね!
世界8番目の不思議とも言われてます
発掘ができなくわからない点が多いのもロマンがあります!
世界遺産の登録理由
(ⅰ)人間の創造的資質を示す傑作
コンマゲネ国王アンティオコス1世テオスの墳墓はきわめて独創的な建築物です。
ネムルト山の自然に囲まれたヘレレニズム時代の代表的な巨大な建築物であるため評価されました。
(ⅲ)文明の存在に関する独特な証拠
ネムルト・ダゥの墳墓の発見によりコマンゲネ王国の文明を示す証拠とされて評価されてます。
(ⅳ)人類の歴史状において代表的な段階を示す建築様式、建築技術や景観
ギリシャやペルシャの神々などが混在していることより、東西の文化が融合したことを示す独創的な建築物であると評価されています。
ネムルト・ダゥへのアクセス
ネムルトダーへの公共交通機関がないため、近くの町から現地発着ツアーに参加かトルコ旅行を計画した際にネムルト・ダゥへ行くツアーに申し込みをするのが一般的です。
最後に
- 登録年1987年
- 登録基準 (ⅰ)(ⅲ)(ⅳ)
- コマンゲネ王国のアンティオコス1世が自らの神格化を図って建てたと考えられる墳墓
- 標高2200mのネムルト山頂に砕石で積み上げたピラミッド様の建築物、ギリシャとペルシャの神々が混在するヘレニズムを代表する石像群
- 噴墓までの通路が発見できてなく、未だに墓が見つかっていない
王の墓と云われているが、ピラミッドの復元が不可能となっているため内部評価が困難であったり、頭部が地面に落ちているというネムルト・ダゥでしか見れない独自の光景があります。
2023年トルコで大地震が時発生。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
ネムルト・ダゥは震源地付近の遺産になるため現在ユネスコが現地調査を行なっているそうです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。